石油・小麦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:13 UTC 版)
「石油食料交換プログラム」の記事における「石油・小麦」の解説
2005年10月の国連調査員ポール・ヴォルカーによる報告が示したところでは、最大のリベートを支払っていたのはAustralian Wheat Board(現AWB Limited)社であったことが分かった。石油食料交換プログラムによって購入した小麦をスムーズに荷下ろしするという条件で、Australian Wheat Board社は総計3億オーストラリアドルの「トラック料金」をAlia社に支払っていた。Alia社は実在するヨルダンのトラック会社だが、オーストラリアからイラクに小麦を送るのには関係しない会社である。Alia社は「料金」から些少の分け前を得て、残りをフセイン政権に送った。このトラック料金の十分な埋め合わせとして、Australian Wheat Board社に支払われる小麦の代金は割り増しされていた。この価格はオーストラリア外務通商省によって承認された。オーストラリア政府は、オーストラリアの企業がフセイン政権にリベートを本当に支払っていたのかさらに調査するためにテレンス・コール(Terence Cole)判事を任命した。こうして2005年12月に始まったコール調査(en:Cole Inquiry)は、2006年終わり頃にその結果が報告されることになっている。コール調査は、ジョン・ハワード首相、マーク・ヴェイル副首相・アレクサンダー・ダウナー外務省長官(それぞれ役職は当時のもの)、外務通商省のさまざまな職員など、オーストラリア政府上層部から証言を集めている。コール調査が進む中、取締役アンドリュー・リンドバーグをはじめとして、大量のAustralian Wheat Boardの役員が辞任していった。2009年8月、オーストラリア連邦警察(英語版)は起訴できる公算が低く、「公益に資さない」(not in the public interest)として捜査の打ち切りを発表した。
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