真の仏説不明論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:23 UTC 版)
文献学的には、大乗仏教の仏典のみならずパーリ経典の大部分も釈迦の死後数百年にわたり編纂されたものであることが明らかとなっている。最古の経典も釈迦の死後100年以内の編纂とみなされているため、近代の文献学上は原始経典さえも釈迦の言説が明確に記録されているか否か明らかでない。 原始経典に戻っても釈迦の直説を探り出すことは困難であり、原始経典もゴータマ・ブッダの没後に編集されたことなどから、大乗非仏説の主張や論争は現在では下火となっているという。 『大正新脩大蔵経』に関わった高楠順次郎は、「初めには文字がない時が四百年間もあった。どうせ説かれた通りであろう筈がない。それに偽作もあってこそ本当の思想も分りまた各時代の思想を見ることが出来る、偽作と偽作でないのとを比較区別するということが研究なので、本当の物だけであると研究も何も要らない。それでありますから一切経はまあたくさんあるだけよい、遅い物も早い物も一緒にあるのがよい」と語っている。
※この「真の仏説不明論」の解説は、「大乗非仏説」の解説の一部です。
「真の仏説不明論」を含む「大乗非仏説」の記事については、「大乗非仏説」の概要を参照ください。
- 真の仏説不明論のページへのリンク