直日決定法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 08:35 UTC 版)
中国または日本の旧暦(太陽太陰暦)における月日が決まれば、自動的に二十七宿が決定される。 旧暦9月1日 氐 旧暦10月1日 心 旧暦11月1日 斗 旧暦12月1日 虚 旧暦正月1日 室 旧暦2月1日 奎 旧暦3月1日 胃 旧暦4月1日 畢 旧暦5月1日 参 旧暦6月1日 鬼 旧暦7月1日 張 旧暦8月1日 角 各月の朔日の宿は以上の通りであり、あとは日の分だけ進ませれば良い。なお、同一の月の中では宿をひとつずつ進めていくが、(旧暦で)翌月に移行するときには上表に従うため、宿をジャンプしたり同じ宿が続いたりすることがある。以上の手法は、単に「古法」とも呼ばれることがある。この二十七宿は歳時記や日常生活にも多く影響を及ぼしている。例えば年末の煤払いを12月13日に行うのは、上表の通り、旧暦12月13日の二十七宿が、よろずのことに吉とされる「鬼」であったからである。暦の「鬼」の日の暦注下段には鬼宿日(きしゅくび)あるいはきしく日と特記される。鬼宿日は「七箇の善日」の一つである。 ちなみに、インドの暦では必ず以下の対応がある。 満月のとき、月が以下の宿にあると インド暦月日は クリッティカー クリッティカー月15ティティ日 ムリガシラー ムリガシラー月15ティティ日 プシャー プシャー月15ティティ日 マガー マガー月15ティティ日 ウッタラ・パールグニー パールグナ月15ティティ日 チトラー チャイトラ月15ティティ日 ヴィシャーカー ヴィシャーカー月15ティティ日 ジェーシュター ジェーシュター月15ティティ日 シュラヴァナ シュラヴァナ月15ティティ日 プールヴァ・バードラパダー バードラパダー月15ティティ日 アシュヴィニー アシュヴィニー月15ティティ日 上の二つの表は、中国旧暦15日が満月である限り(そうなる場合が多い)、全く同じことを言っている。ティティの15日は必ず満月である。そして 氐日から14日後 昴 心日から14日後 觜 斗日から14日後 鬼 虚日から14日後 星 室日から14日後 翼 奎日から14日後 角 胃日から14日後 氐 畢日から14日後 心 参日から14日後 箕 鬼日から14日後 女 張日から14日後 室 角日から14日後 婁 という関係が必ず成立するからである。なお、チャイトラ月が中国暦の2月に当たる。インド暦では、シャカ族の暦の伝統を受け継ぐ暦ではチャイトラ月が新年(1月)となるが、すべての地方の暦でそうなっているわけではない。 二十七宿は、インド占星術の十二宮と密接な関係がある。ただし、西洋占星術の十二宮とは直接の関係はないから、西洋占星術の星座をそのまま当てはめるべきではないとの意見がある。ソフトウェアStargazerの宿曜経の実位置モードは、この過ちを犯している。
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