目的物滅失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:45 UTC 版)
賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する(616条の2)。616条の2は2017年改正の民法(2020年4月1日法律施行)で明文化されたもので、それまでも賃貸借の目的物が火災等で滅失しあるいは老朽化により使用困難となった場合には履行不能となり賃貸借は終了するとされていた。 この場合、(1)双方に帰責事由がないときは危険負担の問題となり、(2)賃貸人に帰責事由があるときは賃貸人に債務不履行責任が発生し(賃貸借の性質上、全部滅失した場合には賃料債務は発生しないと解されている)、(3)賃借人に帰責事由があるときは理論的には賃料債務は残るが賃貸人は債務を免れた利益(賃料相当額)の償還義務(536条2項後段)を負うため実質的に賃料債務は消滅する(端的に賃貸借契約の性質から使用収益がない以上は賃料債務は発生しないと構成する学説もある)。
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