目印・宣伝としての襷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 13:50 UTC 版)
本来の袖をたくし上げる用途ではないが、目印として襷が利用される場合もある。目印としての襷は洋装でも使用され、必要に応じて遠目にも目立つカラーリングが施される。さらには幅の広い帯状の襷に大きく文字を記したものを身につけ、一種の看板として宣伝やアピールにも用いられる。 白襷隊は旧日本陸軍が日露戦争において組織した特別支隊の通称で、夜襲の際に味方を識別するため、全員が白い襷をかけたことからこう呼ばれた。 第二次世界大戦中には召集令状による応召者が赤襷と呼ばれる赤い襷を身につけ、周囲に出兵することを知らせ、前途を祈ってもらった。 リレーマラソンの一種である駅伝競走においては、各区間、各走者がバトンの代わりに襷を手渡し順番に身に付けながらリレーしていく。襷は片方の肩からもう片方の腰の部分にかけて斜めに垂らして使用するもので、チームを識別する色や文字が記載される。 国会議員、地方議員などの選挙において、立候補者が自らの氏名を大きく記した襷を身につける場合がある。これは一般には「選挙たすき」と呼ばれ、公職選挙法第143条の定める「選挙運動のために使用する文書図画」のうち「公職の候補者が使用するたすき」にあたる。候補者の氏名入りの襷は使用法が公職選挙法で厳密に定められており、選挙期間中に候補者本人のみが身につけることができる。そのため、選挙期間外には公職選挙法に抵触しないよう「本人」という文字だけが記載された襷がしばしば用いられ、これは「本人たすき」と呼ばれる。 そのほかにはコンテスト入賞者や商品の売子や興行における営業員、プロレスにおけるリーグ戦出場選手などが使用している。 宣伝に使われる帯としての「人に掛ける襷」からの派生として、レコード盤ジャケットに付属するタイトルや価格、宣伝などが書かれた帯(サッシュとも)を襷と呼称する場合もある。
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