痺れの治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 06:12 UTC 版)
可能ならば原疾患の治療を行うべきである。しかし症状緩和の意味や特発性良性慢性しびれの除外のために以下の処方がしばしば用いられる。 特発性良性慢性しびれ 軽症であればアリナミンF(ビタミンB1)50mg 1×やメチコバール(メコバラミン、ビタミンB12)1500μg 3×、ユベラN(トコフェノール、ビタミンE)100mg 2×、ビタメジンカプセル50mg 1×(複合ビタミン剤)などを使用する。また心因性の場合も多いため、抗不安薬も併用することもある。 末梢神経障害 糖尿病性ニューロパチーの場合は軽症の場合はキネダック150mg 3×(エパレスタット)がよく用いられる。キネダックはアルドース還元酵素の阻害薬でありアルドース還元酵素を特異的に阻害し神経内のソルビトール蓄積を抑制する。神経が不可逆的阻害を受けていなければ有効とされている。糖尿病性神経症の疼痛やしびれに使用されることが多い。尿が赤くなるが、それは特に問題とならない。痛みが強くなってきた場合はキネダック150mg 3×に加えてメキシチール(メキシレチン)300mg 3×を併用する場合が多い。メキシチールはⅠb群の抗不整脈薬であり、不整脈を誘発することがあるので投与まえに心電図を検査することが望ましい。1か月をめどに使用し効果がなければ2週間で退薬する。また痛みが難治性となった場合はテグレトール400mg 2×(カルバマゼピン)を使用することも多い。この痛みによってうつ状態となることも多く、抗うつ薬、抗不安薬が効果的な場合もある。トフラニール30mg 3×(イミプラミン)は三環系抗うつ薬であり、セルシン6mg 3×(ジアゼパム)は抗不安薬である。セルシンとテグレトールの併用はしばしば行われる。なお、日常生活に支障がでるほどの糖尿病性神経症では神経が不可逆的な変化を起こしておりこれらの薬物が効果的でない場合も多い。その場合、痛み、しびれは訴えないこともある。 アルコールや栄養障害のニューロパチーを疑った場合はビタメジンカプセル(50)3C3×とメチコバール 1500μg 3×を併用することもある。 手根管症候群 この場合は原疾患の治療とNSAIDsによる疼痛を行う場合が多い。浮腫に対してラシックス®(フロセミド);40mg1×も使用される。 神経痛 テグレトール(カルバマゼピン)が頻用される。帯状疱疹後などではフランドルテープが効果的なこともある。
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