田尻川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 20:00 UTC 版)
化女沼は天然の湖沼を利用したダムになっている。 田尻川(たじりがわ)は江合川の左岸の支流である。長さは約24キロメートル。 源は玉造丘陵の旧岩出山町(現・大崎市岩出山)十文字地区にある。江合川左岸一帯の河川の水を集め、旧田尻町の中心部を経て、涌谷町の唐崎水門で江合川に合流する。 田尻川には、美女川、佐賀川、百々川、長者川、中雨生沢川などの支流がある。百々川の上流には切伏沼、長者川の中流には化女沼(化女沼ダム)などが設けられており、洪水調節機能を担っている。 化女沼の東には、かつて「大崎沼」(別名、千枝沼)という湖沼があった。中世に一帯を支配した大崎氏の開祖斯波家兼は、奥州管領として当地に下向すると5箇所に御所を築いており、大崎沼の畔にはそのうちの一つ、小野(この)御所があった。当時は一帯は江合川、田尻川などの氾濫原になっていて、広大な沼沢地に囲まれた小野御所には船着場が設けられ、要害になっていたという。また、その沼沢地に丘陵が島のように浮かび、景勝地として当地を詠んだ和歌が多く伝わっている。 逢ふことは くち木の橋の 絶々に 通ふばかりの 道だにもなし — 藤原朝定、『風雅和歌集』 ここで詠まれている「朽木橋」はこれらの沼に架けられていたもので、「朽木橋」や「花島山」(大崎沼にあった池中島)は陸奥国を代表する歌枕として知られている。現在は化女沼ダムのたもとに「朽木橋」の地名が遺されている。 歌枕の一覧も参照。
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