生態の多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/10/05 13:39 UTC 版)
モエビ科は浅海性の種類と深海性の種類が同じ属に分類される例もあり、海のあらゆる環境に適応放散したグループである。 インド太平洋沿岸のマングローブ域には、エビ類では非常に珍しい半陸生の生態を示すキノボリエビ Merguia oligodonという種類が知られる。潮が引いたマングローブで、和名通り湿った木の根によじ登って藻類を食べる。 海岸では各地域の環境に適応した多数の小型種が生息し、例えば日本ではアシナガモエビ Heptacarpus futilirostris、ヤマトモエビ Eualus leptognathus 等が見られる。内湾のアマモ場に生息するコシマガリモエビ H. geniculatus、ツノモエビ H. pandaloides、ホソモエビ Latreutes acicularis 等は前後に細長い体型と緑色の体色が特徴で、これらはアマモの茂みに紛れて擬態している。 大型動物と共生するものもいて、特にサンゴ礁域では、クラゲにつくクラゲモエビ Latreutes anoplonyx、サンゴにつくサンゴモエビ Saron neglectus、大型イソギンチャクにつくイソギンチャクモエビ Thor amboinensis、バルスイバラモエビ Lebbeus balssi、ウミシダにつくコマチイバラモエビ Lebbeus comanthi 等の共生エビが生息する。モエビ科の共生エビは体色が鮮やかで、あまり共生動物の体内には入らず、体表や周囲に見られるものが多い。 また、同じくサンゴ礁に生息するアカシマシラヒゲエビ Lysmata amboinensis 、シロボシアカモエビ Ly. debelius 等はウツボやハタ等の大型魚の体表を掃除する。これらはスキューバダイビングや水族館での観察対象としても人気がある。 深海では小型種に加え、トゲモエビ Spirontocaris brevidigitata、キシノウエモエビ(モエビモドキ)Birulia kishinouyei、イバラモエビ Lebbeus groenlandicus 等の大型種が生息する。大型種はタラバエビ類と共に漁獲され、食用にされることがある。 イソギンチャクモエビ Thor amboinensis 大型イソギンチャクと共生する アカシマシラヒゲエビ Lysmata amboinensis アカスジモエビとも呼ばれる。太平洋とインド洋の熱帯域に広く分布する
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