環境放射線の積極的な利用としての放射能泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 21:15 UTC 版)
「放射線ホルミシス」の記事における「環境放射線の積極的な利用としての放射能泉」の解説
自然放射線または環境放射線の積極的な利用は、放射能泉であるラドン泉やラジウム温泉で行われてきた。ラドン222の濃度が74ベクレル/リットル以上含まれるのがラドン泉であり、ラジウムが1億分の1グラム/リットル以上含まれるのがラジウム泉である。 ヨーロッパのオーストリアでは、インスブルック大学医学部が、1950年代からザルツブルク大学理学部と共同研究を行い、ヨーロッパアルプス山脈の中にあるバート・ガスタインのラドン坑道を活用して、年間約1万人の強直性脊椎炎(ベヒテレフ病)、リウマチ性慢性多発性関節炎、変形性関節症、喘息、アトピー性皮膚炎などの患者に対してラドン吸入療法を行っている。ここでの空気中ラドン222濃度は110ベクレル/リットル以上で放射能療養坑道と呼ばれている。 オーストリアや日本、ロシアなどではこの放射線ホルミシス理論を根拠に、ラドン泉(ラジウム泉)の効用がうたわれ、療養のために活用されるラドン泉やラドン洞窟が存在する。
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