環境問題・既得権益(漁業権・水利権)によるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 00:43 UTC 版)
「中止したダム事業」の記事における「環境問題・既得権益(漁業権・水利権)によるもの」の解説
クマタカ・イヌワシ営巣や森林保護等、環境問題を巡ってダム反対運動が起きることも必然的で、環境影響評価法の制定で環境影響調査が厳格化されたことも、ダム事業の中止・凍結に影響を与えた。だが、この場合は流域とは全く無関係な市民団体・カヌー愛好家・釣り愛好家などが参加することも多く、この場合は環境問題での反対運動に終始し、流域の真の治水・利水を論じるには程遠い状況が生まれる。一方反対運動により景観が守られた例としては小歩危ダム(吉野川)や尾瀬原ダム(只見川)があり、尾瀬原ダム建設反対運動は日本の自然保護運動の嚆矢でもある。 さらに、前述の尾瀬原ダムや小河内ダム(多摩川)の様に、下流の水利権を巡る自治体・慣行水利権者からの反対運動もある。漁業権を巡り流域または下流・海域の漁業協同組合からの反対運動も必発であり、筑後大堰建設を巡る有明海漁業協同組合の反対運動は、工事予定地に漁民が大挙押し掛け実力行使に出たケースもある。宮城県の新月ダム(大川)は、下流の気仙沼市等の漁業関係者からカキ養殖に重大な影響を及ぼすとして反対運動が起こり、その後水需要の減少なども重なり計画が中止された。既得権益、特に漁業権絡みの反対運動は環境保護の立場からの反対運動と軌を一にすることが多い。
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