環境その他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 13:58 UTC 版)
環境面での役割としては、上記のとおり水源を涵養する役割のほか、土壌侵食の防止も含まれる。森林の表層土壌浸食防止能力は非常に高い。また、森林は光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出する。この量は莫大なもので、地球環境の安定化に森林は大きな役割を果たしている。20世紀後半以降、各地で森林の伐採が進み、特にアマゾン熱帯雨林をはじめとする熱帯林が急速に破壊されているが、この森林の減少は二酸化炭素の吸収量を減らし、地球温暖化を招く大きな原因の一つと考えられている。 こうした生産地や環境保全の役割のほかに、森林浴など人間が癒しを求めて森林へと向かうこともある。その美しさから観光地となっている森林もあり、なかでも屋久島や白神山地などの世界遺産に指定されている自然林は多くの観光客を集めている。また、森林を伐採するほかに、上記の木材としての利用や土壌流出の防止など治水機能に着目して、人間により裸地に樹木が植えられ(植林)、新しく森林を育成することも広く行われている。なかでも、森林によって風を防ぐ、いわゆる防風林は海岸沿いや農園地帯などに広く育成されている。日本では各地の海岸沿いに防風林が広くみられ、また北海道東部の根釧台地では人工的に育成され正方形に区画された大規模な防風林が広がっている。農村部において家屋の周辺に樹木をめぐらし風の害を避けることも多く、こうした森を屋敷林と呼ぶ。また、森林が文化的に聖性を帯びることもあり、日本においては特に神社の境内の森林は伐採されずそのまま残されることが普通であり、こうした森林は鎮守の森と呼ばれて長く保護の対象とされ、日本の重要な文化的景観のひとつとなっている。
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