現在の糸満市兼城地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 17:01 UTC 版)
かつて村の中心だった座波は、1990年代まで賑わっていたものの、1992年に中心部をかすめる県道7号のバイパスが開通した後は交通量はバイパスの方に移り、中心部としての機能は次第に衰退していった。現在でも小・中学校や郵便局は座波や賀数にあり、路線バスもバイパスではなく中心部を通る旧道を経由している。 農業が盛んな地域は現在でも変わらないが、那覇市のベッドタウンとして急速に発展していき、かつてサトウキビ畑だったところに次々と住宅が建設されるようになった。同時に道路網の整備も著しく、国道331号(沖縄西海岸道路豊見城道路・糸満道路)や沖縄県道7号奥武山米須線(主要地方道)を中心に隣接する豊見城市と合わせて、那覇市と(糸満)市内中心部を結ぶ重要な幹線道路としてだけでなく、観光地である市南部の三和地域(旧三和村)の南部戦跡(沖縄戦跡国定公園)への観光道路としての機能も果たしている。 1982年には市最大の埋立地である西崎地区が完成し、隣接する国道331号(当時)沿いの兼城や潮平、阿波根と合わせて急速に発展していき、当時の国道沿いには大型スーパーやファーストフード店などが建ち並ぶようになった。2000年には閉鎖された製糖工場の跡地に大型ショッピングセンターが完成し、街並みが大きく変わった。都市化とともに当時の国道331号(現在の沖縄県道256号豊見城糸満線)の交通量は増加し、渋滞を起きることも度々あることから、西崎地域内に現在の国道331号である沖縄西海岸道路豊見城道路・糸満道路を建設し2012年に全線開通、2017年には4車線に拡幅され、並行する旧道(かつての国道)を沖縄県道256号豊見城糸満線に降格したが、その後も2車線(片側1車線)の道路を4車線(同2車線)に拡幅する工事も豊見城市とともに進んでいる。 1995年には沖縄県道82号那覇糸満線(主要地方道)のバイパスが全線開通し、南風原町や那覇市首里方面、また沖縄自動車道に接続する那覇空港自動車道南風原道路(2000年開通)のアクセス道路として沖縄本島中北部方面への近道としても便利になった。2003年には那覇空港自動車道が豊見城東道路の豊見城ICまで開通し、交差する沖縄県道7号奥武山米須線も重要なアクセス道路となった。 しかし豊見城市の新たな埋め立てによる急速な発展と経営再建で西崎にあった大型スーパーダイエーが撤退したことで買い物客が豊見城市や那覇市小禄の大型スーパーなどに流れ、これまでの発展に陰りが出てきている。それでも市内に新たな埋立地(潮崎地区)が完成したため、字糸満・西崎とともに引き続き那覇市のベッドタウンとして発展するのと思われる。
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