現在の勅使
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 04:16 UTC 版)
現在では、毎年正月に東寺(教王護国寺)で執り行われる「後七日御修法(ごしちにちみしほ)」や延暦寺の「御修法大法(みしほたいほう)」、正倉院の「開封の儀」のほか、皇族男子が婚約した際、一般の結納にあたり、婚約相手の家で執り行われる「納采の儀」などに、モーニングコートにシルクハットで威儀を正した勅使が差遣される。また、皇族が薨去した際、一般の葬儀にあたる「斂葬の儀」などの一連の儀式には、皇室の慣例により天皇、皇后は出御せず、勅使が差遣される。「国家に功労のあった者」の葬儀にも、祭粢料を下賜するために勅使が差遣される。 伊勢神宮や勅祭社、天皇陵には、衣冠束帯姿の勅使が天皇からの幣帛を携えて差遣される。明治維新直後の一時期は、洋装の大礼服を用いたが、その後は旧来の衣冠に戻されている。なお、靖国神社への天皇の親拝は、1975年(昭和50年)以来行われていないものの、現在も、毎年春秋の例大祭への勅使差遣は続けられ、御幣物(ごへいもつ)と呼ばれる供物を奉納し、御祭文が奏上されている。 勅使には、侍従や京都事務所長、掌典が遣わされるのが慣習であるが、皇族が遣わされることもある。
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