現在のボールの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 14:39 UTC 版)
テニスボール(ローンテニスボール)には空気を注入する穴が存在しない。これは、製造工程において、ゴムでできた2個の半球を接着させて1個の球に成形する際、内部に亜硝酸ナトリウム ( NaNO 2 {\displaystyle {\ce {NaNO2}}} ) と塩化ナトリウム ( NaCl {\displaystyle {\ce {NaCl}}} ) を入れ、化学反応によって窒素 ( N 2 {\displaystyle {\ce {N2}}} ) と水 ( H 2 O {\displaystyle {\ce {H2O}}} ) を発生させ、そうしてできた窒素の空気圧によって膨張させているためで、空気漏れを簡単に起こすような構造にはなっていない。 化学反応式[ NaNO 2 {\displaystyle {\ce {NaNO2}}} + NaCl {\displaystyle {\ce {NaCl}}} → NH 4 NO 2 {\displaystyle {\ce {NH4 NO2}}} → N 2 {\displaystyle {\ce {N2}}} + H 2 O {\displaystyle {\ce {H2O}}} ] 日本語に変換[ 亜硝酸ナトリウム + 塩化ナトリウム → 亜硝酸アンモニウム → 窒素 + 水 ] 他の球技のボールと違って缶やPET素材の筒形密閉容器に納めた状態で出荷されるものが多いのも大きな特徴の一つであるが、これは、高い空気圧(約1.8気圧)を掛けた容器に閉じ込めることでボール内部の窒素の抜けを使用開始時まで最小限に抑えようとしているからである。なお、簡単に空気が抜けないとはいえ、使うほどに、放置するほどに、相応の量が漏れ出てしまうため、ボールは内部の気圧が低下した分だけ弾まなくなってゆく。このような空気漏れを抑制する用具として、アメリカ生まれのテニスボールセーバー (英: tennis ball saver) や、テニスボールキーパー (英: tennis ball keeper) などと呼ばれる、専用の保管ケースが市販されている。
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