珠江水系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 09:29 UTC 版)
もともと、珠江は広州から海に至るまでの177kmの区間のみを指していた。語源は、砂や小石に覆われた「海珠」という名の中州があったことにちなむ。(この中州は、流路の変更により今は川岸になっている。)しだいに、珠江は西江、北江、東江という広州の前後で合流する三つの大河と、珠江デルタを形成するもろもろの分流の総称となった。 珠江流域の面積のうち、山地と丘陵が94.5%を占め、残り5.5%の平地は川沿いの各地に分散している。最大の平野は洪積平野である珠江デルタである。地勢は、雲貴高原や青蔵高原の端にかかっている西北が高く、東南が低い。雲貴高原より東では両広丘陵と呼ばれる低山や丘陵地帯が広がる。 珠江の本流ともいえる一番長い西江は、流域面積が353,000平方kmに達し全流域面積の80%を占めている。雲南省東北部の曲靖市沾益区にある馬雄山に源を発し、雲南省、貴州省、広西チワン族自治区、広東省の4つの省・自治区、香港およびマカオ特別行政区を経て海に注ぐ。 西江の上流では部分ごとに名前が変わっている。南盤江と北盤江の合流後に西江の本流が始まるが、この時点での名称は紅水河である。東へ急流を流れ、柳江と合流後に大藤峡を過ぎると黔江と名を変える。黔江と鬱江が合流した後は潯江と名が変わり、梧州に至り桂江(漓江)と合流してはじめて西江という名に変わる。上流の高原地帯には急流や滝が多く、代表的なものには支流の白水河にある黄果樹瀑布がある。 珠江デルタには八つの河口がある。それぞれ、虎門、蕉門、洪奇門、横門、磨刀門、雞啼門、虎跳門、崖門と呼ばれ、広大な三角江に流れ込んでいる。
※この「珠江水系」の解説は、「珠江」の解説の一部です。
「珠江水系」を含む「珠江」の記事については、「珠江」の概要を参照ください。
- 珠江水系のページへのリンク