獣医歯科学上、歯科治療として効果のある歯石除去
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 07:43 UTC 版)
「無麻酔歯石除去」の記事における「獣医歯科学上、歯科治療として効果のある歯石除去」の解説
獣医歯科学上、歯科治療として効果のある歯石除去はプロービング等による評価から始まり、スケーリング、ルートプレーニング、キュレッタージ、ポリッシング等が必要である。獣医療行為に該当するため、獣医師免許を持つもの以外が行うことは禁止されている。 ■プロービング 肉眼では分りにくい歯周組織の状態を知るための口腔内検査であり、歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯肉の状態、アタッチメントレベルや根分岐部病変の程度を観察する行為。歯周炎を呈している歯においては強い痛みが伴う。 ■スケーリング 歯面に付着した歯石を除去する処置。歯石は付着部位によって歯冠部歯石と歯肉縁下歯石に分けられ、歯肉縁下歯石の除去が歯科治療としてより重要となる。歯肉縁下歯石の除去には強い痛みが伴い、歯周炎の程度によっては歯冠部歯石の除去ですら痛みが伴うこともある。 ■ルートプレーニング 歯周ポケット内における汚染された歯根部のセメント質を掻爬し、取り除く処置。強い痛みが伴う。汚染された部分がない場合は必須の処置ではないものの、動物病院に来院して歯科処置を行う症例は大半が重度の歯周炎を呈しているため、行わなければならない場合が多い。汚染された部分がある場合、取り除かなければ歯科治療が困難となる。セメント質への過度な刺激により、知覚過敏を引き起こす場合がある。 ■キュレッタージ 歯周ポケット内における汚染された内壁の上皮と炎症性結合組織の部分を掻爬し、取り除く処置。強い痛みが伴う。ルートプレーニングと同様に、汚染されていなければ必須の処置ではない。しかし、汚染されている場合は取り除かなければ治療は困難となる。 ルートプレーニング、キュレッタージを合わせて歯周ポケット掻爬ともいう。 ■ポリッシング 研磨剤で歯面を滑らかに研磨し、歯垢を付着しにくくする処置。歯周炎の状態によっては強い痛みを伴う。状態が良くても弱い痛みが伴う。人医療とは異なり、獣医療においてはスケーリング後の歯面は粗造であり歯垢が付着しやすい表面となっているため、ポリッシングを行うことが推奨されている。歯科治療に用いられる器具であるスケーラー、キュレットは刃物であり、容易に動物の口腔を傷つけることが可能である。超音波スケーラーも先端で穴をあけることができるため、取り扱いを間違えると動物に危害を及ぼす可能性のある器具である。上述の通り、プロービング、スケーリング、ルートプレーニング、キュレッタージには強い痛みが、ポリッシングには弱~強い痛みが伴うため、動物の歯科治療を無麻酔で行うことは現状不可能であり、全身麻酔が必須である。 歯科治療に用いられる器具であるスケーラー、キュレットは刃物であり、容易に動物の口腔を傷つけることが可能である。超音波スケーラーも先端で穴をあけることができるため、取り扱いを間違えると動物に危害を及ぼす可能性のある器具である。上述の通り、プロービング、スケーリング、ルートプレーニング、キュレッタージには強い痛みが、ポリッシングには弱~強い痛みが伴うため、動物の歯科治療を無麻酔で行うことは現状不可能であり、全身麻酔が必須である。
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