狭義の経営学に内包される2領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:27 UTC 版)
「経営学」の記事における「狭義の経営学に内包される2領域」の解説
狭義の経営学としては組織体の効率効果的な運営のための長期的視野に立った理論の構築を目的とする学問と捉えられるため、その際は会計学やマーケティングなどの分野は除外される。 経営学の問題意識を明白にするためには、次の2つのことが必要となる。[要出典] ビジョン達成に向けて、企業(およびそのほかの組織体)の組織構造とその機能をどのように設計すればよいか、その方法論や根拠などを明らかにすること。…マクロ組織論は、こういった目的意識を共有する経営理論の分野である。古くはエージェンシー理論、近年ではスチュワードシップ理論などがこの領域では有名。コーポレート・ガバナンスなどへの応用が進んでいる。 ビジョン達成を目的とした、持続的な競争優位を確立するためのアクション・プラン設計方法やその根拠などを明らかにすること。…経営戦略論が、こういった目的意識を共通のメインテーマとしている。経営戦略論には、全社戦略論と競争戦略論の2つの領域がある。前者の全社戦略論では、オリバー・ウィリアムソンやロナルド・コースらが理論化に尽力した取引費用理論、金融工学のオプション価格理論にルーツを持つリアル・オプション理論といった理論などが有名。後者の競争戦略論ではマイケル・ポーターが理論化したポジショニング理論やジェイ・B・バーニーのリソース・ベースド・ビューなどが実務でしばしば用いられている。 日本では、マクロ組織論、経営戦略論の2つをまとめて経営学と呼ぶ学問体系が確立している。[要出典]日本で初めて経営学の概念を提唱したのは、商工経営学と名付けた上田貞次郎東京高等商業学校(現・一橋大学)教授とされる。2018年、一橋大学は商学研究科と国際企業戦略研究科を再編統合し、経営管理研究科を設立している。経営管理研究科という名称は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科と同様である。日本での企業(およびそのほかの組織体)の組織構造(組織論)とその機能(戦略論)をどのように設計するか、学術研究面での経営管理研究の重要性が現れている。
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