特徴と用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 18:04 UTC 版)
ささやき声の音量は一般に小さい。一般的な会話の音圧レベルは約60 dBであるのに対しささやき声は30~40 dB である。この特徴を利用して、小さな音量で話すときに用いられる。図書館などの静寂が求められる場所や、近くにいる第三者に聞こえてほしくないときなどが典型的な例である。 ささやき声は通常発声に比べて少し不明瞭で聞き取りにくいとされるが、これは両者の音の周波数の構成が異なることと関係がある。聞き手が母音を識別するためには、主要フォルマントと呼ばれる、500~3000 Hz の領域が重要である。通常発声では7 kHz のエネルギーは 600 Hz のエネルギーより約 40 dB 低いが、ささやき声では低周波数帯と高周波数帯のエネルギー差が小さく、その比は 10 dB にとどまる。すなわちささやき声においては主要フォルマントの割合が相対的に低下し、高周波数帯が相対的に存在感は増す。さらに、この特徴は電話での会話に特に大きく影響する。電話が伝達できる周波数帯はおおよそ 300~3000 Hz の範囲であり、これ以上の高周波数はカットされるため、電話においてささやき声の母音はなおさら不明瞭なものとなる。 ささやき声では子音の発音時間が長くなる。有声子音の場合は15%、無声子音の場合は5%の延長がみられる。
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