熱力学的溶解度積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 15:03 UTC 版)
熱力学的濃度溶解度積(英: thermodynamic solubility product、通例 Ksp )とは、溶液中の塩P(+)、Q(−)の活量a(P(+))、a(Q(−)) の積である。 K s p ( P m Q n ) = a ( P ( − ) ) m a ( Q ( − ) ) n {\displaystyle \mathbf {K} _{\mathrm {sp} }(\mathrm {P} _{m}\mathrm {Q} _{n})=a(\mathrm {P} ^{(-)})^{m}a(\mathrm {Q} ^{(-)})^{n}} この値の重要な特徴は、溶液中において一部PmQnとなり、沈殿する難溶性塩であるならば、温度ごとに決まる、塩の組み合わせに固有の定数であることだ。ただし、塩化カリウムのように溶解度が高かったり、塩化第二水銀のように水溶液中で完全電離しない化合物では、一定の値を持たない。下図に代表的な難溶性塩の熱力学的溶解度積を示す。 熱力学溶解度積と濃度溶解度積の関係は次の通り。 K s p ( P m Q n ) = K s p ( P m Q n ) γ ± 2 {\displaystyle \mathbf {K} _{\mathrm {sp} }(\mathrm {P} _{m}\mathrm {Q} _{n})=K_{\mathrm {sp} }(\mathrm {P} _{m}\mathrm {Q} _{n}){\gamma _{\pm }}^{2}} ここで、γ±は塩P(+)、Q(−)の平均活量係数。 難溶性塩の熱力学的溶解度積(25 ℃)塩Ksp塩Ksp塩KspAgCl 1.7×10−10 Ca(OH)2 7.9×10−6 Fe(OH)3 3.2×10−40 AgBr 4.3×10−13 CaSO4 3.7×10−5 Fe(OH)2 4.1×10−15 AgI 8.5×10−17 CaCO2O4 2.6×10−9 HgS 3.0×10−52
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