無関節型ローター(英: hingeless rotor, rigid rotor)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:16 UTC 版)
「ヘリコプター」の記事における「無関節型ローター(英: hingeless rotor, rigid rotor)」の解説
フェザリングヒンジ以外のヒンジを持たないもの。全関節型に比べて構造が大幅に簡単になり、信頼性や整備性が優れているほか、操縦性や安定性が向上しており、曲技飛行の機体にも多く用いられている。初期のものは、フラッピング・ドラッギングの両方を動きを許さない構造であったが、現在のものは、ローターのハブまたはブレードの付け根の部分を、曲げ剛性を小さくしてたわみ易い部分とし、弾性変形することでヒンジの機能を果たすことにより、ブレードのフラッピング・ドラッギングの両方を動きが可能となっているが、半関節型ローターと同じく、飛行中でのフラッピングにより発生するコーニングではブレード根元に大きな曲げ応力が掛かるので、元からハブにコーニング角を持たせる「プリコーニング」により曲げ応力を軽減している他、それ以上のコーニング角の変化は、ブレードの付け根の部分をたわみさせることで対応している。この方式は、ブレードの根元に大きな曲げモーメントがかかるため、1970年代に複合材料による強靭なブレードの製造技術の完成によって初めて実現出来た。欠点として、同じ理由で、ある程度以上大型のヘリコプターには採用困難なこととブレードから機体に伝わる振動が増えがちな点があげられる。2008年時点では、無関節型だけに限らず、全関節型や半関節型でも複合材ブレードは一般的になっている。リンクスなどでは、ドラッグヒンジは無くともダンパーのみ備えている。
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