無国籍となった高麗人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 04:13 UTC 版)
ソビエト連邦の崩壊以降、一部の高麗人達は無国籍となった。ソ連時代に連邦だった国々が、ロシア国籍を認めなかったために、それぞれの国籍を再度申請しなければならなかった。これを知らなかった、書類の紛失、住民登録の失念、経済的な余裕の有無、パスポートの再申請の不可などの理由により無国籍者が存在している。この背景には、生まれ育った家庭が貧困だったため、教育など社会生活を送るうえで必要な情報を得られなかったという事情があり、このような不利益は彼らの子孫にまでそのまま受け継がれてしまっている。CISには現在、高麗人全体の10%にあたる約5万人の無国籍者がいることが推測されている。 こうした事態に対して、韓国政府は2007年から現地の国籍を取得させる為の外交活動と法的支援といった無国籍高麗人支援事業を開始し、ウクライナでは移民局が、「ウクライナ国籍がない高麗人の身分を、韓国大使館が証明すれば国籍回復手続きを手助けできる」という意向を明らかにしたものの、各国の法律や文化的な障壁に阻まれ、成果を上げるには至っていない。
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