点火系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 15:07 UTC 版)
エンジンの燃焼室内での燃料と空気による混合気への点火には、点火栓による電気火花により行われる。点火系統に使用されている電源には、機体に搭載されているバッテリーの直流28Vまたは機体の電気系統に使用されている交流115V400Hzが一般的に使用されており、点火装置の出力エネルギーの大きさはジュールで表される。点火系統はエンジンの始動または飛行中での燃焼室内の燃焼停止(フレームアウト)が発生した時の再着火に使用されており、エンジンが正常な運転状態になれば作動を停止している。また、点火系統には使用に時間的制限のある高エネルギー系統の間欠作動系統と時間的制限のない低エネルギー系統の連続作動系統とがあり、その2種類の系統を別々に組み込んでおいて始動時には間欠作動系統を使用し、離着陸中や着氷気象条件または荒天中の飛行では燃焼停止(フレームアウト)の予防に連続作動系統を使用して使い分けている場合と連続作動系統だけを組み込んで両者に対応している場合とがある。 実際の点火系統では、点火栓に高温高エネルギーの強力な電気火花を出力するため、機体側の低圧電源を高圧電源に変換するイグニッション・エキナイター、イグニッション・エキナイターと点火栓を接続している高圧電線のハイテンション・リード、先にある中心電極と円周電極との間のギャップが環状になっている点火栓で構成されており、イグニッション・エキナイター内の電気系統を2系統とし、そこから2本のハイテンション・リードを介して2本の点火栓に接続し、2系統でエンジンに装備することで、1つの系統が故障しても、もう一方の系統のみで点火ができるようにしている。
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