炭素骨格と官能基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 15:00 UTC 版)
有機化学で化合物の合成方法を考える場合、炭素骨格の構築と官能基の変換に大別することが多い。 一般の有機化合物は、鎖式炭化水素(アルカン、アルケン、アルキン)あるいは環式有機化合物(シクロアルカン、芳香族炭化水素、複素環式化合物など)を骨格とし、そこに官能基(ヒドロキシ基、カルボキシル基など)が結合した構造を持っている。 官能基を変換することは比較的容易である。例えば、アルコールは適当な酸化剤を用いることによって、アルデヒドあるいはカルボン酸に変換でき、カルボン酸からさらにアミドやエステルへと変換することが可能である(官能基については基に詳しい説明がある)。 一方、炭素骨格を構築することはなかなか難しい。古くからアルドール反応やグリニャール反応が用いられてきたが、期待する炭素骨格を効率よく合成することは困難であった。しかし、近年では鈴木カップリングやメタセシス反応など、効率の良い反応が開発され、タキソールやシガトキシンのような複雑で巨大な分子も全合成することが可能となっている。
※この「炭素骨格と官能基」の解説は、「有機化学」の解説の一部です。
「炭素骨格と官能基」を含む「有機化学」の記事については、「有機化学」の概要を参照ください。
- 炭素骨格と官能基のページへのリンク