火薬と爆薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 00:34 UTC 版)
一般に火薬と爆薬の意味は混同されて使われるが、火薬類取締法では「推進的爆発の用途に供せられるもの」を火薬、「破壊的爆発の用途に供せられるもの」を爆薬、火薬や爆薬を加工したもの(雷管、導爆線、導火線、花火、銃砲弾、爆弾など)を火工品(かこうひん)と区別している。 発破に用いる材料も火薬類取締法に従ってそれぞれが区別される。物体の破壊や破砕目的の発破には専ら爆薬が用いられるが、墓石や建築材に用いる石材採取発破では過度な割れを防ぐために爆力の低い粒状黒色火薬などが用いられる。 また火薬と爆薬では、燃焼の性質や速度の面でも違いが顕著である。火薬では衝撃で反応が始まり難いよう比較的安定した性質を持ち、一定以上の熱を加えることで燃焼という酸化反応が連鎖的に発生するが、爆薬では設定された種類のエネルギーを加えた場合に反応が始まり、より速やかに全体へと反応が進むようになっている。産業発破用爆薬で主流を占めるダイナマイトや硝酸アンモニウム系の爆薬では裸火で点火しても穏やかに燃焼するだけで爆轟反応に移行しないものが殆どであり、爆薬中に挿入した雷管を爆発させてその衝撃力で起爆する。この辺りも火薬と爆薬の性質的な違いである。
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