温水の直接利用による冷却
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/07/14 03:04 UTC 版)
「Aquasar」の記事における「温水の直接利用による冷却」の解説
Aquasarの冷却システムは空冷ではなく水冷だが、単にコンピュータの筐体内ではなく、マイクロチャネル(極小の水路)と呼ばれる経路を使用してプロセッサを直接冷却する。この冷却水は、60度などかなり高温でも効率的に冷却でき、その温水を大学の建物の暖房など他の用途にも副次的に使用できる。 IBMは温水冷却による利点を以下のように説明している。空冷を使用した場合の平均的なデータセンタの消費電力と二酸化炭素排出量の50%以上は、コンピュータ本体ではなくプロセッサのオーバーヒートを避けるための冷却システム(空調設備)に使われており、エネルギー使用効率の観点から全体最適されていない。しかし水冷を使用してプロセッサを直接冷却することで、エネルギー使用効率が向上し、消費電力を40%以上削減できる。また通常の水冷では水の冷却に電力を消費するが、気温より温度の高い温水を使用すれば、通常の熱交換によってプロセッサを冷却するために必要な温度まで下げる事ができ、更にその熱交換で得た熱を施設の暖房に再利用すれば施設外部への新規の熱排出も発生せず、全体で二酸化炭素排出量を最大85%削減できる。 この冷却システムは当システムで最初に実用化され、2012年のSuperMUCでも使用された。
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