深層水の取水とその影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 22:46 UTC 版)
「海洋深層水」の記事における「深層水の取水とその影響」の解説
自然に影響を及ぼすのは取水よりも利用後の排水の影響の方が問題となる。ノルウェーでは魚の養殖に深層水を利用しようとしていたが、フィヨルド内の海水の入れ替わりに10年前後かかることから中止した。 日本国内の取水施設は11都道県19施設あるが、取水施設の整備コスト面では陸地から急激に深くなる海底地形の方が取水管の設置距離が短くなり初期投資コスト面で有利になることから、取水地は島(新潟県佐渡島、沖縄県久米島、鹿児島県甑島)や半島の先端(高知県室戸、神奈川県三浦、北海道羅臼)に設置される場合が多い。例外としては、3000メートル級の立山連峰からの急峻地形が海底1000メートルまで続いている、富山湾に面した富山県滑川市や同入善町、同じく急峻地形で水深2500メートルを測る駿河湾に面した静岡県焼津市では、焼津漁港に取水施設がある。 これらの立地条件は、企業や一般人が取水施設を利用しやすい都市部が後背地としてあるかないか、交通インフラへのアクセスの良否による製造した深層水製品の消費地への輸送コストの増減といった事柄に影響することから、深層水の産業利用の成否を握ることになると思われる。
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