涼山規範彝文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 08:27 UTC 版)
涼山規範彝文(りょうざんきはんいぶん)は、彝文字の一種。別名四川規範彝文、あるいは単に規範彝文ともいわれ、大涼山地区で話されている北部方言のシンジャ方言を基盤とし、喜徳県(シド県)の発音を標準として作られた。 各地の彝文字のうち最も早く文字体系が整備され、1976年1月から試用が開始された。現在は四川省内での彝語出版物は全てこの文字によっている。 左から右への横書きで書かれる。文字数は819文字で、ほかに反復記号1文字がある。涼山イ語には4つの声調があるが、高平調(55)・中平調(33)・低降調(21)についてはそれぞれ無関係な文字が用いられる。中昇調(34)は中平調の文字の上に円弧を加えることで表される。涼山イ語では文法的に中平調から中昇調に変調することがしばしばあるので、これは理にかなっている。 涼山イ語にはゼロ子音を含めて44の音節頭子音、10の母音、4つの声調があるので、理論的には1760字が必要になるが、使われない組み合わせがあることと、上記のように中昇調を記号で表すために実際の文字の数はそれより少なくなる。 規範彝文は1999年のUnicodeバージョン3.0で基本多言語面のU+A000からU+A48Fまでに収録された。登録されているのは1165文字であり、中昇調の字は合成によって表すのではなく独立した文字として扱われる。またU+A490-A+A4CFには部首が収録されている。Windows XP以降やmacOS上で使用可能である。
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