消防用具と火の見櫓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 01:29 UTC 版)
火事場では、消火のため様々な道具が用いられた。梯子は、梯子持と呼ばれた平の鳶人足より上位のものが取り扱い、屋根に登ったり水を運び上げる足場として使用された。燃えにくいように、水を含んだ青竹の新しいもので作られていた。 鳶口(とびぐち)・刺又(さすまた、指俣)・鋸などは、火元や周囲の建物を破壊し延焼を防ぐために使用された。鳶口は、火消が必ず持っていた道具としてあげられ、しばしば喧嘩にも用いられたため、幕府によって長さに制限が設けられていた。 竜吐水(りゅうどすい)・独竜水(どくりゅうすい)・水鉄砲・玄蕃桶(げんばおけ、2人で担ぐ大桶)などは、水を火元に直接かけたり、火消人足に水をかけたりするために使用された。竜吐水は木製の手押ポンプで、空気の圧力を用い水を15mほど飛ばすことができた。しかし、継続的に水を供給することが難しく、それほど消火の役にたたなかったという。 そのほか、火の粉を払い延焼を防ぐための大団扇や水筵(みずむしろ、海草で作られ水に浸して使う。ぬらすために水箱と呼ばれるものを使用した)なども火事場で用いられた。 火事を早期に発見するために設けられた設備として、火の見櫓・火の見梯子がある。発見した火事を知らせたり、出動の合図としては半鐘や板木が使用され、火事場の遠近などによって叩き方が定められていた。
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