洛神賦の伝説
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甄氏に関する有名な伝説は、文帝の弟曹植との恋愛譚である。『文選』李善注は、曹植の代表作『洛神賦(中国語版)』のモデルが甄氏であるとする『感甄記』なる物語を引用している。それによれば、曹植は甄氏を思慕していたが、曹操の命により自らと一緒にはなれなかった。甄氏の死後、曹植の想いを知っていた文帝は、甄氏の枕を与えて曹植を慰めた。洛水の畔に宿営した曹植が枕を使って寝ていると、夢に甄氏が現れ曹植に対する思慕の念を伝えた。曹植は悲喜の念に堪えられず、ついに「感甄賦」を作った。後に曹叡が「洛神賦」と改名したという。 しかしこれらの記述は全て後世のものであること、またあまりにも俗説のような話であることなどから、創作の可能性が高いとされている。 兄や姉の名が残っているものの、彼女自身の名は記されていない。この物語は後世広まり、現在でも粤劇(中国語版)などの題材となっている。これらの劇では、『洛神賦』に因んで甄氏の名を「甄宓」・「甄洛」などとしている(「宓」は伏羲氏の女である宓妃のこと。洛水で溺死し、女神になったといわれる)。
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