法定推定家督相続人の去家禁止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 21:34 UTC 版)
「民法典論争」の記事における「法定推定家督相続人の去家禁止」の解説
明治民法では、男子のいない家の長女、いわゆる家付きの娘は婿を取るしかできず(744条)、嫁に行くには廃嫡手続をして夫の家に入籍させなければならない(975条)。この点は旧民法より家族主義的なことに異論は無い。 原案では「成年の家族は戸主の同意あるときは何時にても分家を為すことを得」となっていたのが、磯部の反対で議論が紛糾した結果であった(法典調査会129・130回)。 旧民法人事編251条 家督相続に因りて戸主と為りたる者は其家を廃することを得ず但し分家より本家を承継し其他正当の事由あるときは区裁判所の許可を得て廃家することを得 明治民法744条 1.法定の推定家督相続人は他家に入り又は一家を創設することを得ず但し本家相続の必要あるときは此限に非ず 仏民法典にも類似の規定があり、家付き息子・娘(仏:enfant de famille)の婚姻には厳格な制限があったが(151条)、1933年に撤廃された。 明治初期には合家の制度があり戸主同士の婚姻も可能だったが、秩禄処分の影響で1876年(明治9年)に廃止された。
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