法定接種対象の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 18:58 UTC 版)
どの疾病を予防接種法および予防接種法施行令の法定接種対象とするかは、時代に合わせて改訂が行われている。1948年当初は腸チフスも法定接種に含まれていたが、腸チフスワクチン以外の予防手段が可能となったことから、1976年の改正で腸チフスなど4疾病が法定接種の対象から除外されている。その一方で、同改正によって麻しん、風しん、日本脳炎の3疾病が新たに追加されている。 また、高齢化社会に対応して、2001年に予防接種法は改正されており、これにより65歳以上の高齢者(および60歳以上65歳未満で特定の疾病を持つ者)は、一部公費負担によるインフルエンザワクチンの接種が可能となった。この改正の背景として、1998年 - 99年のシーズンに介護施設や入院病棟で、高齢者がインフルエンザに集団感染して死亡者が相次いだ社会問題がある。 1979年のインフルエンザワクチン予防接種率は67.9%であったものの、1994年に学童への接種が任意になったことから接種率が低下していき、1998年 - 99年当時は約2割にまで落ち込んでいたことが、感染蔓延の一要因である。学童の集団免疫は、抵抗力の低い高齢者やハイリスク患者への拡大を抑止していたのではないか、と集団予防接種を再評価する専門家の意見もある。
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