沿ドニエストル地域とは? わかりやすく解説

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沿ドニエストル地域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/21 13:51 UTC 版)

ドニエステル左岸行政区画
(トランスニストリア)


  • Unitățile Administrativ-Teritoriale din stînga Nistrului (Transnistria)  (ルーマニア語)

  • Административно-территориальные единицы левобережья Днестра (Приднестровья)  (ロシア語)

  • Автономне територіальне утворення з особливим правовим статусом Придністров'я (Придністров'я)  (ウクライナ語)
国旗
モルドバにおけるドニエステル左岸行政区画の位置及び範囲(赤)
首都 ティラスポリ
言語
統治体制 沿ドニエストル共和国による実効支配
モルドバ共和国内の自治地域
• 設立
2005年7月22日[3]
面積
• 合計
3,510[4] km2 (1,360 sq mi)
• 水面積率 (%)
2.35
人口
• 2015年国勢調査
475,007人[4]
• 人口密度
135.3/km2 (350.4/sq mi)
時間帯 UTC+2 (東ヨーロッパ時間)
• 夏 (DST)
UTC+3 (東ヨーロッパ夏時間)
道路
国際電話番号 +373
インターネットTLD .md
  1. 当地区内で話されるルーマニア語は、モルドバ語と呼ばれる

沿ドニエストル地域(えんドニエストルちいき)、またはトランスニストリアTransnistria)は、未承認の国家である沿ドニエストル共和国(トランスニストリア)が実効支配する地域に対してモルドバ政府が公式に設置した、特別な法的地位を有する行政区画である。モルドバによる公式名称はドニエステル左岸行政区画ルーマニア語: Unitățile Administrativ-Teritoriale din stînga Nistruluiロシア語: Административно-территориальные единицы левобережья Днестраウクライナ語: Автономне територіальне утворення з особливим правовим статусом Придністров'я英語: The Administrative-Territorial Units of the Left Bank of the Dniester)である。

概要

1991年のソビエト連邦崩壊後、旧モルダヴィア・ソビエト社会主義共和国の領土をめぐり、モルドバとドニエストル左岸地域の未承認国家(沿ドニエストル共和国)の間でトランスニストリア戦争が勃発した。戦争はロシアの支援を得た沿ドニエストル共和国が勝利し、ドニエステル左岸地域の大部分に対して、沿ドニエストル共和国による実効支配が続くこととなった。モルドバは引き続き同地域の領有権を主張している。沿ドニエストル共和国はほとんどの国から承認されておらず[注釈 1]、国際的に当地域はモルドバの一部と認められている。このため、モルドバ政府はこの地域に関する「特別な法的地位の基本原則に関する法律」を制定し、2005年7月22日、特別な法的地位を有する自治地域としてドニエステル左岸行政区画が設立された[3]

領域

沿ドニエストル共和国の実効支配地域および領有権を主張する地域

モルドバ政府によるドニエステル左岸行政区画の領域は、沿ドニエストル共和国が実効支配する領域とほぼ一致しているが、次の2つの重要な違いがある[5][6]

  • ベンデル(ティギナ)は沿ドニエストル共和国が実効支配しているが、ドニエステル左岸行政区画からは除外されている。ベッサラビアの歴史地域の一部である。
  • 沿ドニエストル共和国が領有権を主張しているが、モルドバの支配が及んでいる地域がドゥベサリ県、カウシェニ県、アネニイ・ノイ県に存在する。これらはドニエステル左岸行政区画から除外されている。

下位区分

モルドバ政府によると、1市(基礎自治体)と9つの町、2つの集落が存在する。なお沿ドニエストル共和国は独自の行政区画を使用している(沿ドニエストル共和国の行政区画を参照)。

行政

ドニエステル左岸行政区画を定める法律では、この地域は自由、透明、民主的な選挙に基づき最高評議会を選出することとなっている。最高評議会はその後、地域の行政機関を正式に設立するための基本法を採択することとなる。またこの地域は、モルドバの国章と併用して独自のシンボルを採用する権利を有する。公用語は、ラテン文字によるモルドバ語、ロシア語、ウクライナ語とする。この地域は経済的、技術的、科学的、人道的な目的のために他国と関係を築くことが可能である[3]

注釈

  1. ^ アブハジアアルツァフ共和国(亡命政権)、南オセチアの3国からのみ承認されているが、これらの国々も国際的にほぼ承認されていない。

脚注

  1. ^ Roudik, Peter (23 December 2013). “Moldova: Romanian Recognized as the Official Language”. The Library of Congress. 16 may 2022閲覧。
  2. ^ The text of the Declaration of Independence prevails over the text of the Constitution”. Constitutional Court of Moldova (5 December 2013). 16 may 2022閲覧。
  3. ^ a b c d Law № 173 from 22.07.2005: "About main notes about special legal status of settlements of left bank of Dnestr (Transnistria)" モルドバ語; ロシア語
  4. ^ a b MOLDOVA: Transnistria (Pridnestrovie)”. City Population. 16 may 2022閲覧。
  5. ^ Law No. 764 from 27.12.2001 "About administrative-territorial division of Republic of Moldova" - Appendix 5
  6. ^ Evoluţia delimitării teritorial-administrative a Republicii Moldova: de la centralizare la recentralizare”. 2022年5月16日閲覧。

関連項目


沿ドニエストル地域

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 15:56 UTC 版)

モルドバの地方行政区画」の記事における「沿ドニエストル地域」の解説

モルドバ東部ドニエストル川東岸地域1990年以降沿ドニエストル共和国として事実上独立しており、モルドバ政府実効支配及んでいない。しかし、国際的に沿ドニエストル共和国独立認められておらず、モルドバ一部とされている。その「沿ドニエストル共和国」はモルドバ政府行政区画では「ドニエストル地域自治地域トランスニストリア, Transnistria)」とされ、名目上は高度な自治権をもったモルドバ構成体とされている。 詳細は「モルドバ沿ドニエストル共和国の関係(英語版)」を参照 なお、モルドバ政府による「ドニエストル地域」は事実上独立している「ドニエストル共和国」の実効支配地域とほぼ一致するが、一部異なる点がある。 ベンデル / ティギナ沿ドニエストル共和国は「自国に含む」とし、実効支配。 アネニイ・ノイ県(ルーマニア語版、英語版)、カウシェニ県(ルーマニア語版、英語版)、ドゥベサリ県沿ドニエストル共和国領有権主張しており、一部地域実効支配している。

※この「沿ドニエストル地域」の解説は、「モルドバの地方行政区画」の解説の一部です。
「沿ドニエストル地域」を含む「モルドバの地方行政区画」の記事については、「モルドバの地方行政区画」の概要を参照ください。

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