治癒的な作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 14:59 UTC 版)
他のリラクセーション法と同じくらいには健康に良いと考えられている。臨床研究で瞑想の心身への良い影響を示唆する報告が出るようになると、健康管理、心理治療、教育などの分野に応用されるようになった。生理・生化学的研究では、瞑想特有の身体の健康への効果はないようである。臨床的・心理学的な研究には、何をもって客観的であるとするかという問題があるが、概観すると、瞑想は心理学的にみて健康に良い影響があり、不安・恐怖症の改善、依存症の抑制、といった報告があり、知覚の感受性を高めることが示唆されている。また心身医学的な見地から、心筋梗塞後のリハビリテーション、気管支喘息、不眠、高血圧に有効であるかもしれず、また人間関係における信頼や自己評価の改善などに良いという報告もある。これらの研究は瞑想の治癒的な力の可能性を示唆しているが、ただし、安藤治によると、こうした作用は瞑想特有であるとは言えず、研究の質も不十分である。 補完医療としての活用も試みられている。うつ病は再発を繰り返しやすく、再発防止のため最低2年間は抗うつ薬治療が推奨されているが、瞑想を取り入れたマインドフルネス認知療法に再発リスク低減効果があるのではないかとされ、英国の研究チームが効果があったと報告した。同研究チームでは3度以上うつを繰り返し、抗うつ薬を服用する経験者424人を被験者とし、半数ずつをランダムに分け、2年間にわたりマインドフルネス認知療法をする群と抗うつ薬治療を行い、両群の再発率を比較した。その結果、マインドフルネス認知療法群で再発率が44%、抗うつ薬治療群で再発率が47%となり、両群に統計的に有意な差はなかった。研究チームは双方ともにうつ再発や後遺症、生活の質向上により良い結果をもたらしていた、と結論付けた。
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