水源と上流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/29 09:45 UTC 版)
ペグニッツの町の北部のペグニッツ川水源一帯、すなわちヴァイハーグラーベン川やフィヒテンオーエ川、ペグニッツ川自身の上流が流れている辺りは、多くの独自性をもった不思議な場所である。 ペグニッツ川の水源の一つは、ペグニッツの中心地から北に約8.5km、クロイセンから約3km南、シュナーベルヴァイトからはわずか数百m北のクライモースヴァイハーに位置する(距離はいずれも直線距離)。この辺りは、広さ15ha近く、標高447.5mの池があり、マイン川とペグニッツ川の分水界となっている。その水の一部は北へ向かってローテン・マイン川となり、一部は南へ向かうヴァイハーグラーベン川となってペグニッツに注ぐ。したがって、この池は地質学的に特徴があるだけではなく、最終的にはレグニッツ川がマイン川に注ぎ込むことで完成する、巨大な水の円環の出発点にあたる、ヨーロッパでも希な分流装置の役割を果たす池となっているのである。 ペグニッツ川の最も重要な水源はフィヒテンオーエ川である。この小川は、赤マイン川の水源からそれほど離れておらず、クライモースヴァイハーから6kmほどのリンデンハルトの森から湧出する。この水源は、アウトバーンA9沿いのリンデンハルトの北側に当たる。フィヒテンオーエ川は、ここからペグニッツの町のやや上流までヴァイハーバッハ川などを容れながら川幅を増しつつ下ってゆき、二手に分かれる。この右側の流れが、ペグニッツの町で、ここまでわずか数百m程度の長さしかない小川であったペグニッツ川と合流するのだが、その後もこの川はペグニッツ川と呼ばれることになる。 ペグニッツの小さな公園ヴィースヴェイハーで「バッハクロイツンク」(川の交差点)と呼ばれる、さらなる特徴を見ることができる。分裂したフィヒテンオーエ川の左側の流れ(ミュールバッハ川)が、まっすぐに流れてきたペグニッツ川(つまりはかつてのフィヒテンオーエ川の右側)の川底の下の導水管を、静水圧を利用して通って左から右に位置を変えて、ヴァッサーベルク(水の山)に向かう。 ヴァッサーベルクでも、不思議な光景が見られる。ペグニッツ川がこの山の周りを取り巻くように流れてミュールバッハ川から離れて行くと、その山のレーシュミューレという場所でミュールバッハ川は消えてしまう。そこから直線距離で300mほど下った山の南斜面で川は再び現れ、ペグニッツ川に流れ込む。この間、山の中を水がどう流れているのかは不明である。色水を使った実験で、複雑に絡んだ地中の岩盤の溝を通るのであろうこのルートを通過するには、地上のペグニッツ川の4倍の時間が必要であることが分かっている。
※この「水源と上流」の解説は、「ペグニッツ川」の解説の一部です。
「水源と上流」を含む「ペグニッツ川」の記事については、「ペグニッツ川」の概要を参照ください。
- 水源と上流のページへのリンク