民のかまどとは? わかりやすく解説

民のかまど

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 01:12 UTC 版)

民のかまど(たみのかまど)は、仁徳天皇治世からの言葉

概要

この言葉は、庶民生活ということを意味する[1]

歴史

仁徳天皇がある時に高い山に登って民の暮らしを見渡したところ、炊煙が上がっていない人家を見つける。この時に仁徳天皇は、この地域は水が少なく、災害飢饉に見舞われており、人々は食べるものも十分に手に入れることができていないために炊煙が上がっていないのだろうと推測する[2]。このことから仁徳天皇は3年間、を免除した[3]。そして生活が豊かになるまでは食事も着る者も倹約して、宮殿屋根の穿き替えも行わなかった。仁徳天皇のこの仁愛が通じたのか民は熱意を持って働くようになり、次第に豊かさを回復していくようになる[4]。宮殿が荒れていっても仁徳天皇は自分はもう富んできたと言い、それはが人君を立てるのは人民のためであるため人民が根本であるという考えからであった[5]。税が無いことから仁徳天皇の宮殿は荒れ果てても新調できないほどになったものの、それから煙が上がるようになっているのを見て、民が富んでいるのは自分も富んでいることであると喜ばれた[3]。仁徳天皇が高台に登って民の暮らしを見渡してみれば煙が立っていたことから、民のかまどは賑わいにけりを詠む[4]。この話からの教訓は、民の幸せは天皇の幸せでもあるという考えであり、現在の皇室にも伝承されている思想である[2]

脚注

  1. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,精選版. “民の竈(タミノカマド)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年7月10日閲覧。
  2. ^ a b 清水直樹 (2023年2月18日). “「民のかまど」(仁徳天皇)から考える社長の在り方”. www.shikumikeiei.com. 2024年7月10日閲覧。
  3. ^ a b 産経新聞 (2017年8月1日). “【浪速風】「仁」の歴史こそ世界遺産にふさわしい 「民のかまど」国づくりの歴史、世界へ”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年7月10日閲覧。
  4. ^ a b 「民のかまど」に象徴される精神文化は消えてしまうのか | 中小企業を活性化する経営誌 月刊「理念と経営」”. www.rinen-mg.co.jp. 2024年7月10日閲覧。
  5. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023年8月30日). “【編集局から】わずかな情報から民の困窮を見抜き税を免除した仁徳天皇 「想像力」足りない岸田首相”. zakzak:夕刊フジ公式サイト. 2024年7月10日閲覧。

民のかまど

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:58 UTC 版)

後醍醐天皇」の記事における「民のかまど」の解説

あはれとは なれも見るらん 我民と 思ふ心は 今もかはらず(大意流刑者として連行される私のことを、「あはれ」(哀れ)と、あなた方も思うのだろう。だが、私もまた、あなた方我が民として「あはれ」(尊い)と想う気持ちは、今も変わらないのだよ) —後醍醐天皇、『増鏡』「久米のさら山」 よそにのみ 思ひぞやりし 思ひきや 民のかまどを かくて見んとは(大意都にいたころは想像するしかなかった、民のかまどの煙を、これほど身近に見ることができるなんて。私が尊敬する仁徳天皇が、感極まって歌を詠んだ時に見たのも、このような光景だったのだろうか。こうしてみると配流というのも悪いことばかりではないのだな) —後醍醐天皇、『増鏡』「久米のさら山」 『増鏡』「久米のさら山によれば鎌倉幕府捕まって隠岐国流される途中美作国岡山県東北部)に差し掛かった元弘2年/元徳4年1332年3月17日詠んだ歌2首。

※この「民のかまど」の解説は、「後醍醐天皇」の解説の一部です。
「民のかまど」を含む「後醍醐天皇」の記事については、「後醍醐天皇」の概要を参照ください。

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