毒餌を用いた方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 06:40 UTC 版)
「アルゼンチンアリ」の記事における「毒餌を用いた方法」の解説
市販や自家製のえさ型殺虫剤や液体型殺虫剤は、アリの性質をうまく利用した殺虫剤である。よく知られているように、アリは餌を巣に持ち帰り、それを女王や幼虫と分け合う。えさ型殺虫剤はそうやって女王や幼虫にまで毒を盛る殺虫剤である。固形タイプのえさ型殺虫剤は、巣やアリの行列の近くに置いておくが、長期間同じ場所に置いておくとアリが警戒し寄り付かなくなるので時おり置き場所を変えてやる必要がある。 またアリはグルーミングといって互いの身体を舐めあう性質がある。遅効性の液体型殺虫剤は、外を歩き回っているアリに散布して、グルーミングにより巣の中にいるアリにまで殺虫成分を浸透させ、巣丸ごと全滅させる殺虫剤である。この種の殺虫剤にはアリの虫体に直接ふりかけるものもあるが、えさ型殺虫剤と効果を一にした簡単な自家製のものもあるのでその製法を記しておく。これをアリが蔓延している場所へ底の浅い皿に入れておくとよい。 ホウ酸 小さじ1/4 水 大さじ3 砂糖 大さじ1 ホウ酸は熱湯にしか溶けないので、水の温度が低い場合は砂糖などと混ぜて電子レンジにかけると良い。作り置きして少量ずつ皿に移して使うのも良いが、ペットや幼児が舐めたりしないよう保管場所には気をつけるべきである。これは皿に移した方についても同様である。 この毒餌は、アリの体内で脱水症状を引き起こし、水がアリやその幼虫の体から徐々に奪われる。その後体内でホウ酸が結晶化するので、アリや幼虫の消化管は傷つけられ、結果死に至るというものである。 2013年に国立環境研究所などが、殺虫剤フィプロニルを混ぜた餌を用いた効率的な駆除する方法を開発したと発表した。この餌を用いた実験では4カ月で生息数が1/5に減り、一方で置かなかった地区では84倍に増えたという。
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