毒針毛とかぶれ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 03:20 UTC 版)
チャドクガの目視できる体毛そのものに毒はないが、2齢幼虫以降の幼虫の体に生えている長さ0.1-0.2mmほどの毒針毛中にはプロテアーゼ、エステラーゼ、ヒスタミン等が含まれており、とても抜け易いため幼虫の体毛にも付着している。また、毒針毛の表面には小さなトゲがあり皮膚に付くと抜けにくい構造になっている。終齢幼虫の抜けた毒針毛は繭・成虫・卵塊・1齢幼虫と成長過程すべてで付着して受け継がれる。 俗に「ケムシに刺された」というがケムシはカやハチのように自分から積極的に人を刺すものではない。チャドクガは生涯を通じて毒針毛をもち、触れるとかぶれを生じる。一度その被害にあった人はそれが抗原になって2回目以降、個人差はあるがアレルギー反応を起こすことがある。毒蛾の毛虫1匹にある毒針毛は50万本から600万本といわれているが、毒針毛を持つ種類はドクガ科全体のごく一部である。 毒針毛は非常に細かく、長袖でも夏服などは繊維のすきまから入り込む。直接触れなくても木の下を通ったり、風下にいるだけで飛散した毒針毛の被害にあうことがある。またハチの毒などと違って幼虫自身の生死に関わらず発症するので、幼虫の脱皮殻や、殺虫剤散布後の死骸にも注意が必要である。被害にあったときに着ていた衣服は毒針毛が付着しているので、取扱いに注意する。成虫にも毒針毛が付着しており、卵塊は成虫の体毛に覆われているので、幼虫の時期のみでなく年間通じて注意が必要である。
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