歴史学界における否認論の扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 01:31 UTC 版)
「ホロコースト否認」の記事における「歴史学界における否認論の扱い」の解説
ホロコーストにより数百万人規模の計画的な殺戮が行われたこと、ホロコーストが中央で計画されたこと、およびホロコーストの実行におけるナチ指導部の役割のあったことは、膨大な物証、証言および文献によって、既に裏付けられているという認識が、近現代ヨーロッパ史の研究者における国際的な合意となっている 。この状況をアメリカの歴史家デボラ・リップシュタット(英語版)は、「古代ローマの研究者がローマ帝国が存在したかどうかを論争したり、フランス史家がフランス革命の起きたことを証明したりするのと同じである」と述べている。 なお、ホロコースト否認論に基づく「論文」のうち、一流論文誌の査読を通過したものは1件もない。否認論者はこのことについて、ヨーロッパ等の歴史学会には否認論を研究する機会が無いためなどとして説明しようとする(2006年にイランで行われたホロコースト・グローバルヴィジョン検討国際会議等)。一方でフランスの歴史家ピエール・ヴィダル=ナケは「月はロックフォールチーズで出来ているなどと断言する『研究者』がいると仮定して、一人の天体物理学者がその研究者と対話するような光景を想像できるだろうか。歴史修正主義者(ホロコースト否定論者)たちが位置しているのは、このようなレヴェルなのだ」と形容している。
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