歴史学の中の文化史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 14:15 UTC 版)
文化史の概念のもとには、歴史学の非常にさまざまな分野が含まれる。 歴史家によっては、「文化史」のもとに一般に政治史に含まれないような事象を研究対象として考える。一方、最近は、特定の対象に限定しない文化史概念が、何人かの歴史家によって主張されている。 文化史的な視線をすべての可能な対象に向けることが、この「新しい文化史」の関心事である。 ここでは、まさに伝統的な文化史記述が明らかに遠ざけてきた対象を研究するという主張がされている。すなわち、政治と法である。政治的なものと法的なものの文化史的分析の中心に、コミュニケーションのプロセスがおかれるのである。 文化史の視点では、政治や法律の制度は合理的な構造による客観的所与ではなく、ある種の要求とその受け入れ、またはそれに対する拒絶が凝縮されたものとしてとらえる。コミュニケーションはそのときに記号の交換として理解される。そしてそのため特に熟考された記号、すなわちシンボル、儀式または典礼などに対する論究が、「新しい文化史」にとっては際立った役割を果たしている。
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