正の調節と負の調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:52 UTC 版)
「カゼインキナーゼ1」の記事における「正の調節と負の調節」の解説
CK1εはPERタンパク質(PER1(英語版)、PER2(英語版)、PER3(英語版))に周期的に結合してリン酸化する。両者はヘテロ二量体を形成し、CRYタンパク質(CRY1、CRY2)とも相互作用する。リン酸化には2つの効果がある。ショウジョウバエでは、PERタンパク質のリン酸化はユビキチン化を促進し、分解をもたらすことが示されている。また、PERタンパク質のリン酸化は時計遺伝子の転写抑制のための核移行を不可能な状態にする。核移行の阻害はPERの核局在シグナルのリン酸化によって行われ、シグナルを覆い隠すことで核への進入が妨げられる。しかしながら、PERタンパク質複合体がCRYに結合している際には、このCK1εによる細胞質への拘束に打ち勝つことができる。CK1εとCRYの双方がPERと複合体を形成している際にCK1εはCRYをリン酸化することがin vitroで示されているが、その機能的意義は未解明である。 転写因子BMAL1はin vitroでCK1εの基質であり、CK1εの活性の増加はBMAL1依存的な概日遺伝子プロモーターの影響下にある遺伝子の転写を正に調節することが示されている。この効果のin vivoでの検証はまだ行われていない。
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