機関・変速機・冷却システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 04:44 UTC 版)
「国鉄DE50形ディーゼル機関車」の記事における「機関・変速機・冷却システム」の解説
機関として、連続定格出力2,000 PS / 1,500 rpmのDMP81Zディーゼルエンジンを1位側ボンネット内に1基搭載する。 この機関はDD13形用のDMF31系エンジンに端を発する国鉄機関車用副燃焼室式中速ディーゼル機関の最終進化形態となった機種であり、基本的にはDML61ZBのシリンダーブロックを組み替えて4気筒増設したV型16気筒とし、さらに過給器系の見直し・強化で2,000 PSを実現したものであった。したがって消耗部品の多くはDML61系、ひいてはその原型となったDMF31S系とも互換性があり、保守や部品補給の面で有利と見なされていた。 このDMP81Zからの出力を受け止める液体式変速機は、DD51形等で実績のある充排油式のDW2Aを改良して、1速時2段4要素、2.3速時1段4要素を自動的に切り替えられるように設計され、吸収馬力1,440 PS相当(計画値)のハイドロダイナミックブレーキ機構のための流体継手を内蔵した、DW7が新たに設計された。 これらの組み合わせによる引張特性はDD51形に近い値となっており、摩擦係数0.3の場合の最大引張力は約21,000㎏を公称した。 また、この大出力機関やハイドロダイナミックブレーキから発生する熱を放散する冷却システムは、その排熱量の過大さもあってアルミ製のEX7A形が主回路用29本、吸気冷却用9本で合計38本分だけ、前述の通り2位側ボンネットに集約搭載された。これは2位側ボンネットの運転台直前に置かれた容量600リットルの水タンクから供給される冷却水を用いる水冷式で、全長約3.5 mにも及ぶ大型のラジエーターパネルをボンネットの左右側面に配し、DW7からユニバーサルジョイントで導かれた動力で駆動される2基の大径ファンによって強制通風することで冷却を行うものである。
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