機械式吹き込み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 15:48 UTC 版)
SPレコード初期の頃は、集音器(ラッパ)の奥に取り付けられた振動板で直接針を振動させてレコード原盤にカッティングする、「機械式吹き込み」(「アコースティック録音」あるいは「旧吹き込み」とも呼ばれる)で録音された。機械式吹込みでは、演奏者がラッパの近くに集合し、レコーディング・エンジニアの指示に従って演奏中にラッパとの距離を調整したり、大音量を発するシュトローヴァイオリンを使って演奏するなど、演奏者にとって不自由が多かった。そのような中でも、録音技術を最大限生かそうといろいろな工夫をしたのは、指揮者のレオポルド・ストコフスキーであった。ストコフスキーは、録音室におけるオーケストラ団員の配置を大きく変えることで録音効率を高め、レコードの音質向上に成功している。 旧吹き込み時代の録音は電気録音以降に再録音されたケースが多い。しかし、旧吹き込み時代に死去したり、あるいは旧吹き込み時代に全盛期であったミュージシャンや演奏家の録音には優れた演奏も多く、その優れた演奏を生かすべく、カルーソーの録音などは、旧吹込み時代の彼の声に電気録音のオーケストラをかぶせるといった試みも行われている。また、機械式吹き込み最後期の1924年頃にはそれなりに技術が完成されており、最初期の電気録音よりも良い成果を挙げている例もある。
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