機械式メトロノーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 02:09 UTC 版)
機械式メトロノームは、一種の実体振り子である。おもり(固定錘)がついた振り子の腕が左右に振れる都度、「カチッ」という音が出るようになっており、この音によって演奏のテンポを合わせる。また、腕には位置を調整できるもうひとつのおもり(遊錘)が付いており、この遊錘を腕の目盛りに沿って上下することで、反復の間隔(つまりテンポの速さ)を調整する。機械式メトロノームは地球上の引力で使われることを想定(ハードコーディング、特定の動作環境を決め打ちして設計すること)されているので、重力が変化すると動作するテンポも変化する。 遊錘を移動させると重心の位置が移動するが、振り子全体が剛体である実体振り子では重心が軸に近づくにつれ周期が長くなることを利用し、単振り子(ひもの先におもりをつける振り子)に比べてとても小さいサイズで長い周期のリズムを刻めるように工夫されている。 一般的な機械式メトロノームの目盛りはほぼ等比的で、次のようになっている。 40 - (2刻み)- 60 60 - (3刻み)- 72 72 - (4刻み)- 120 120 -(6刻み)- 144 144 -(8刻み)- 208 日本で販売されているほとんどの機械式メトロノームは毎分 40回 - 208回までの範囲で動作する。かつてはJIS B 9803で定められていたが、この規格は1999年に廃止された。
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