構造と記憶の原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 14:04 UTC 版)
一般的な磁気コアメモリについて、その構造と記憶の原理について説明する。 基本的な要諦は、フェライトコアの特性としてその磁化特性について、ヒステリシスの存在により着磁の変化に一定の「しきい値」のようなものがある、ということである。 磁気コアメモリは、小型のフェライト磁性体のリング(コアという)に電線が通されたものが、格子状に多数配置された構造になっている。コアの一つが1ビットの記憶容量を持つ。 一つのコアに対しては、書き込み用電線が縦横の各1本で2本、それと読み出し用電線1本が通っている。書き込み用電線は格子状に配線され格子点にコアがある。格子の縦横各1本の書き込み用電線を指定すると、一つのコアが定まるわけである。これがビットアドレスの指定になる。縦と横のそれぞれ1本の電線に流す電流は、ある程度の余裕を持って前述のしきい値よりも低い磁力しか発生させない程度に流す。これにより、交点にある、両方の電線が通っている唯一のコアだけが十分な強さの磁力の変化を受ける。 あるコアにデータを書き込むには、そのコアに対応する書き込み用電線2本に電流を流して磁化させる。電流の方向によりコアの磁界の向きが決まり、それにより0か1のビット値が決まる。なお、磁化されたコアは、電流が止まっても磁化した状態を保持するので不揮発性のメモリということができる。 あるコアのデータを読み出すには、そのコアに対応する書き込み用電線2本に電流を流し、読み出し用電線の電流を検知する。このとき現在のコアの磁界の向きが逆転するようであれば、読み出し用ケーブルに電流が流れる。逆転しない場合は、読み出し用電線に電流が流れない。これによりコアのビット値が判明する。しかし、データを読み出すときに、書き込み用電線2本に電流を流すのでコアが磁化されてしまい、読み出し前の内容が失われてしまう(非破壊読み出しができない)。このためコアの内容をその後も保持したい場合は、「書き戻し」が必要である。
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