構造と力学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 05:32 UTC 版)
フィブリルは直鎖状の生体高分子からなり、長さと直径の比率が高い棒状の構造が特徴である。多くの場合、フィブリルは自発的にらせん状に配置される。生物力学の問題では、フィブリルはナノメートルスケールでほぼ円形の断面積を持つ古典的な梁(はり、ビーム)として特徴づけられる。そのため、単純な梁曲げ(英語版)方程式を適用して、超低荷重条件下でのフィブリルの曲げ強度を計算できる。ほとんどの生体高分子と同様に、フィブリルの応力-ひずみ関係は、線形弾性領域の手前に特徴的な爪先領域-踵領域を示す傾向がある。生体高分子とは異なり、フィブリルは均質な材料のように振る舞うわけではなく、降伏強度は体積に応じて変化することが示されており、構造依存性を示している。 異なる起源のフィブリル間の構造の違いは、通常、X線回折によって決定される。走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して、コラーゲンの特徴的な67 nmのバンドのような、より大きなフィブリル種の特定の詳細を観察できる。しかし多くの場合、完全な構造を決定するために十分な微細さを得られない。 水和は、フィブリル材料の機械的特性に顕著な効果をもたらすことが示されている。水の存在は、コラーゲンフィブリルの剛性を低下させるだけでなく、応力緩和率と強度を増加させることが示されている。生物学的な観点からは、水分含有はフィブリル構造の強靭化機構として作用し、より高いエネルギー吸収とより大きなひずみ能力を可能にする。
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