構造と化学式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 03:18 UTC 版)
三リン酸の構造を用いてポリリン酸の構造を決める原則を説明する。三リン酸は酸素原子を共有して結合した3つの四面体の PO4 単位からなる。構造的に外側の四面体は中心の四面体と1つの頂点を共有しており、中央の四面体は外側の四面体と2つの頂点を共有している。相当するリン酸は酸性プロトンを失って酸と結合する。環状トリマーの場合には、それぞれの四面体は隣の四面体と2つの頂点を共有している。 層状ケイ酸塩鉱物のように3つの角を共有することも可能であるが、そのような構造は極端な環境下でのみ見られる。3つの角を共有する構造は3次元構造を持つ五酸化二リン (P4O10) でも見られる。 化学的には、重合反応は縮合反応として見られる。その過程は2つのリン酸単位が反応して始まる。 2 PO43— + 2 H+ P2O74— + H2O この反応は可逆的であるため平衡反応であることが示されており、逆反応は水分子で分解されるため 加水分解反応と呼ばれる。縮合反応は次のように段階的に進行する。各段階で1つの PO3 単位が鎖に加えられ、上で示したポリリン酸の図の n が1つ増える。P4O10 は縮合反応の最終産物として見られ、それぞれの四面体の3つの角は他のものと共有されている。反対に、五酸化二リンに少量の水を加えるとポリマーの複雑な混合物が得られる。
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