構造、結合、錯体化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 23:01 UTC 版)
「チオシアン酸塩」の記事における「構造、結合、錯体化学」の解説
チオシアン酸イオンはその負電荷を硫黄と窒素の間で等しく分配しているため、硫黄または窒素のどちらも求核試薬として作用する両座配位子である。また、[SCN]- は2個 (M-SCN-M) または3個 (>SCN- or -SCN<) の金属原子を架橋することもできる。経験則から、硬い酸を形成する金属、例えばクロム(III)、コバルト(III)およびニッケル(II)とは N -結合性チオシアン酸錯体を、軟らかい酸を形成する金属、例えば銀(I)、カドミウム(II)および水銀(II)とは S -結合性チオシアン酸錯体を形成しやすいことが分かっている。この他、反応速度および溶解度もしばしば結合の異性化に関与する(例: [ Co ( NH 3 ) 5 ( NCS ) ] Cl 2 {\displaystyle {\ce {[Co(NH3)5(NCS)]Cl2}}} と [ Co ( NH 3 ) 5 ( SCN ) ] Cl 2 {\displaystyle {\ce {[Co(NH3)5(SCN)]Cl2}}} )。 チオシアン酸銀は結晶中で − Ag − SCN − Ag − SCN − Ag − {\displaystyle {\ce {-Ag-SCN-Ag-SCN-Ag{}-}}} のような一次元鎖を形成している。
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