構造、結合、性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/29 02:15 UTC 版)
セレノール類は構造的にチオール類と類似しているが、C-Se結合は196 pmと約8%長い。C-Se-Hの角度はセレン化水素(H2Se)のように90° に近付いている。この結合はSe上のほぼ純粋なp軌道を含んでおり、ゆえに角度が90° に近い。Se-H結合エネルギーはS-H結合よりも弱く、その結果としてセレノール類は容易に酸化され、H-原子の供与体となる。またSeの結合の相対的弱さを反映して、セレノール類はチオール類よりも約1000倍強い酸である。CH3SeHとCH3SHのpKaの値はそれぞれ5.2と8.3である。脱プロトン化によってセレノラート陰イオン(RSe−)が生じる。セレノラートイオンの大半は高い求核性を持ち、空気によって素早く酸化される。 セレノール類の沸点は、チオールの沸点よりもわずかに大きい傾向にある。これはファンデルワールス結合の重要性が原子が大きくなるほど強くなるためである。揮発性セレノール類は、ひどい悪臭を示す。
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