植物分類学におけるアダンソンについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/07 18:02 UTC 版)
「ミシェル・アダンソン」の記事における「植物分類学におけるアダンソンについて」の解説
植物分類の方法はカール・フォン・リンネとそれに対抗するフランスのトゥルヌフォール、ベルナール・ジュシュー、アントワーヌ・ローラン・ド・ジュシューらによって発展してきた。リンネによる雄しべ雌しべの数による分類、トゥルヌフォールの花の形による分類などあらかじめ基準をきめて分類することは、基準の決め方によってその分類の結果は異なるものになる。アダンソンは形質65について、それぞれに複数のクラスを設けて、それぞれの植物の形質がどのクラスにふくまれるかで植物を分類し、その結果から58の科を設けた。アダンソンの科は現在の分類学でいう目にちかい。人間の主観による判断を排除しようとしたアダンソンの方法は当時の学会では否定的な見解が多く、リンネはその結果を不自然なものとして非難した。アダンソンが選択したすべての形質を平等に扱うのに対し、アントワーヌ・ローラン・ド・ジュシューは諸形質の重要度<形質順位の法則>をたて、重要度の高い形質で大別し、次第に重要度の低い形質を参考に細分する方法による分類を行い、これが洗練されて分類学の主流となった。リンネの分類を「人為分類」、トゥルヌフォールの分類を「自然分類」という形容をする時、分類結果が「自然分類」に近いことから、アダンソンの分類も「自然分類」に分類されるが、思想的にはリンネの分類思想に近い。コンピュータの発達によって、表徴の比較処理を行う数量分類学が発展すると、一部に「新アダンソン主義」とよばれる研究者が生まれた。
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