棒鱈とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 食物 > 食品 > > 棒鱈の意味・解説 

ぼう‐だら【棒×鱈】

読み方:ぼうだら

真鱈三枚におろし素干ししたもの。《 春》

棒鱈の画像

棒鱈

読み方:ボウダラ(boudara)

真鱈3枚におろし素干ししたもの


棒鱈

読み方:ボウダラ(boudara)

マダラ干したもの

季節

分類 人事


棒鱈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 23:57 UTC 版)

大阪の市場で販売される棒鱈

棒鱈(ぼうだら)とは、主に北海道稚内礼文島で生産されているタラ干物[1]

タラの干物の総称が干鱈(ほしだら)で、製造方法の違いにより乾鱈(ほしだら、かわきだら)とも呼ばれる[1]。塩をふらずに干したものであり、塩をした干物である「すき身鱈」とは別物である[1]

概要

稚内や礼文島は晩秋から数か月の間は晴天で風のある日が多く、日中でも気温が氷点下の日もある[1]。そのような気候であるため、塩を用いずに、天日で干していても凍結する[1]

凍らせた鱈は日中に陽があたれば融けて水がしたたり落ち、これを繰り返すことで乾燥するという、天然のフリーズドライ製法によって作られる[1]。自然のまま鱈を凍らせて作るものを「凍干」と呼ぶ[1]。凍干は身がスポンジ状になり、脂肪分や臭み成分も抜け、味わいは上品になる[1]

棒鱈は、凍干と違って凍らせないように一次乾燥させてから寒干しし、いわば素干ししたものとなる[1]。凍干を水戻しする場合には一晩程度で良いが、棒鱈は水を替えながら1週間ほどかかり、臭み成分も残るが、旨味は強い[1]

凍干も単に「棒鱈」と呼ばれることも多く、文献やレシピを参照する場合には、水戻しが一晩なら「凍干」、水を替えながら1週間なら「棒鱈」と判断する必要がある[1]

原料となる「タラ」にはマダラスケソウダラが使われ、味はマダラのものが上とされる[1]

歴史

江戸時代以前から、東北北海道地方における海産物を使った保存食の代表格として製造が行われてきた。加工された棒鱈は北前船関西方面に運ばれ、正月料理やお盆料理の一品として食べられた。東北地方の山間部では夏の保存食としても、また北九州では夏のに食べる習慣がある。

製造方法

タラを三枚におろし(尾の部分は下ろさず両身が繋がった状態)頭と背を取り去ってから洗い、本来はを振らずに厳寒期に1 - 3か月程度凍結する状況で荒縄にかけて陰干しし(水分が多い状態では日に当たると傷みやすい)、最後に天日干しで乾燥加工をするが、現在では乾燥機により乾燥させ最後に天日干しをするところもある。風の強い地域では長期の寒風干しを行うところもある。主に漁期であり旬でもある12月から2月までの間に製造される。完全に乾燥したものは極端に身が硬くなり文字通り棒状になる。地方(新潟県小千谷地方など)により三枚に下ろさず内臓と頭だけ取り除き骨付きのまま干したものが好まれる地域もある。

食べ方

たらおさ

非常に硬いため、そのままでは食べることが出来ないが、金槌等で叩いて身をほぐし、酒のにすることはできる。

一般的には何日も掛け水に浸し水を取り替えながら戻し、あく抜きをする必要がある。十分に柔らかくなってから、芋などと炊き合わせたり、うま煮・甘露煮煮魚等に加工される。海老芋と炊き合わせた芋棒は、伝統的な京料理として知られる。棒鱈と芋の煮物を河原などで作って食べる風習が、芋煮会の起源とも言われる。

日田など九州の山間部や博多ではマダラのえらと内臓部分(食道と胃の繋がった物)を干したものを「たらおさ」(大分県)、「たらわた」(福岡県)と称し、水で戻した物を煮付けにしてハレの日のご馳走としている。

にしん、棒だらなぞというものは、料理が不味いと感心しないものであるが、料理が適当に塩梅されると、堂々と美食家をよろこばすだけの美味さをもっている。にしんや棒だらを美味として食わないような美食家があるとしたら、それはにせものである[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 【棒鱈購入前に】棒鱈の種類・選び方・早く戻す方法など、棒鱈煮はじめての方は必見!”. 50代からの夫婦ふたり暮らしの食卓. 全国有機農法連絡会. 2024年12月7日閲覧。
  2. ^ 北大路魯山人著、平野雅章編「魯山人味道」中公文庫、1995年、p.16.

関連項目

外部リンク


「棒鱈」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



棒鱈と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「棒鱈」の関連用語

棒鱈のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



棒鱈のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの棒鱈 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS